西洋音楽史上、最高の指揮者は誰かと問題になるとき、必ず名前の挙がる筆頭が、ヴィルヘルム・フルトヴェングラーである。
もう死んで半世紀以上経つのに、賛美者は「彼以上の指揮者はいない」と断言してはばからない。
その音楽の熱っぽさにおいて、精神的な深さにおいて。一回一回の演奏が二度と繰り返せぬ一回性に輝いていた点において。
フルトヴェングラーは1886年に生まれたドイツの指揮者だ。死んだのは1954年。つまり、不運なことに、働き盛りはナチの台頭する1930年代から戦後の混乱期にかけてだった。
当然、日本に来る機会などまったくなかった。
にもかかわらず、ドイツやヨーロッパ諸国のみならず、日本においてすら、間違いなくクラシック音楽史上最高の指揮者のひとりと目されているのである。
いや、来日しなかったがゆえにかえって神秘的な存在として崇拝、礼拝の対象にすらなったと言えるかもしれない。
このホームページはそんなフルトヴェングラーの真髄に迫ろうとするものです。フルトヴェングラー、ひいてはクラシック音楽に関する造詣を深めていただければ幸いです。