いわゆる「フルヴェンのブラ4」/フルトヴェングラー鑑賞室

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いわゆる「フルヴェンのブラ4」


 

交響曲第4番の演奏を例にとってみても、フルトヴェングラーがいかにスコアを綿密に読んで、一音一句に彼の知識と魂とが込められているか、細かく聴くと息詰まるようでさえある。

ベルリン・フィルの威力もあるのか内声部がしっかりしている。

そして、全体は一遍の音詩のごとき効果をもって歌い読まれている。

いまさらながら、フルトヴェングラーの音楽の感じ方には敬服せざるを得ない。

これまでに残されたこの曲の録音中、49年のライヴ盤(EMI)は今なおその抒情的深みと霊的興奮度の高さにおいて抜きん出ている。

ここにはブラームスの真実の声があり、フルトヴェングラーの祈りがあり、ベルリン・フィルの誇りがある。

そしてそれらが一体となって作り出される演奏のうねりと気迫は圧倒的である。

しかもフルトヴェングラーとベルリン・フィルだけが持ち得た様式美が素晴らしく、演奏の背後にある伝統的重みと風格が歴史的名演の神髄を教えてくれるのである。

第4楽章の映像が残っており、それはリハーサルなのに本番のような気迫に圧倒される。

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