フルトヴェングラーの演奏様式/フルトヴェングラー鑑賞室

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フルトヴェングラーの演奏様式

フルトヴェングラーは演奏行為を川の流れに例えて次のように語っている。

「川の水は次々に変化する田園風景の中を流れてゆく。方向も速さも常に変わる。狭い峡谷をよろめくように流れるかと思うと、今度は川幅を広げて悠々と進む。すなわち、川の流れは生命あるもので、中心となる勢いは最後まで続かなければならず、決して勝手に変えたり、中断したり、強引に押し戻してはならない。」

まるでフルトヴェングラー自身の演奏が目に見えるような言葉である。

メンゲルベルクやトスカニーニの表現が時に不自然に響くのは、この川の流れを人工的に誇張したり、それに逆らって一定にしようという試み、自然に起伏から遠くなっているからだろう。

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